2014年度


あっという間に3月が終わろうとしています。
駅から職場の大学まで歩く途中。猫がいたので写真を撮った、その私の背後には袴姿の女子大生がおおぜい。卒業式の日なのだった。そうか、このカメラで学生たちを撮る選択肢もあったのか、と反射的に過去形で思いました。
自分が大学を卒業した日も、お天気のいい暖かな日でした。
大学4年間で何かを成し遂げたという手応えはなく、進学する予定とはいえ将来への不安はふくらむばかり、ただ「みんなと一緒」「自分も華やかな卒業生」という雰囲気を味わうためだけに、綺麗な振り袖を着て卒業式に出た。
周囲には着ぐるみやコスプレをして出席する人もおり、卒業式が名物になっている大学だった。ふざけて式を茶化す同級生たちが面白くて笑ったけれど、そんな態度を総長の祝辞がばっさり切り捨て、一瞬で会場が水を打ったように静まり返った。
ますますみじめな気持ちになったのを覚えています。
そんな感情も経て今の自分があるのだよ。「自分」について考え出すと、愛憎が縄のようによじれて身動き取れなくなってしまうので、あまり考えないようにしているのだけど。