ドライフラワー 

あつい。これは飲み日和(飲まねばたまらん)と思い、白ワインを買ってキーンと冷やす。


桜が開花してから一度も雨が降ってないので、散り落ちた膨大な花びらが地面に貼りつくことなく、さらさらと乾いている。風が吹くたび、1つ1つ桜貝のような形と色で積もった花びらが地面でそよそよ揺れる。愛らしい骸。


買い出しのついでに雑誌「考える人」のピアノ特集を立ち読み。ちょっと不思議になるのは、例えばフランス人ピアニストのピエール=ロラン・エマールさんの紹介文で、「ピアノ曲の演奏では、わが武満徹とのやりとりもあったようです」という表現がさらりとあること。「わが武満徹」というのは、しばらく文脈を考えたんだけど、武満徹はヨーロッパで評価された日本人として私たちみんなが誇りに思う作曲家でしょってことかな? こういう無邪気さはこの雑誌ならではに思える。

考える人 2009年 05月号 [雑誌]