2010-01-01から1年間の記事一覧

p.s.

やっぱり、10選は無理!ぜんぜん無理!(わたわた) せめて、2010年を塗りつぶしたピアノを1つ、リンクしておきましょう。 ショパンコンクール、本選より、ピアノ協奏曲第1番。ピアニストは19才のダニイル・トリフォノフ君。 それはもう、まだまだ足りない要…

29日だなあ。ここらで今年の10選など選んだらいいんじゃないかしら。…と思ってドキリとしました。うわー、思いつかないー! 何かを確実に失いつつあるような、と同時に何かを手に入れつつもあるような、きっと30代の誰もが通るのでしょうが、そんな1年でした…

古書店の木箱から抜き出したその単行本には、ビニールカバーがかけられていた。 購入者や書店がかけたものではなくて、新刊時から付いていたのだろう、昔ながらの、厚手のビニール・ブック・カバー。少しばかり縮み、黄ばんでいる。中身の本がぎゅうっときつ…

午後から思いっきり嵐。 分厚いくせに去年ひびが入ってしまった古いガラスへ、割れたら困る、がんばれ、と心の中で掛け声をかける。 夜は静か。道路をゆく車輪の風圧で、舞った枯れ葉が、かさりと音を立てる。 通り過ぎてゆく、いちどとて無粋なブレーキの音…

ロベール・クートラス画集『僕の夜』文:小池昌代さん、に心惹かれます。 http://www.e-ecrit.com/press/coutelas/ 文学や絵画に関する小池さんのエッセイがけっこう好き。

クララ・シューマンとハインツ・ホリガーが並んだアルバムを軽く。とても上品でリッチでミステリアス(とツイッターにもかなり前に書いたかな…)。 2人の共通項は、ロベルト・シューマンに恋をしたことなのかもしれないと思ったりする。

寒くなると窓の外から動く生きものが減る。陽射しだけが今日も明るい舌のようにちろちろそこらを舐めていた。ちろちろ、ちろりん、という動きはなかなか好きだ。そんな動きをしてくれるのは舌か目くらいだろう。七輪ごしに恋をする。我、舌と目を礼賛す。某…

猫をこよなく愛す王や姫の宮殿には、必ずと言ってよいほど砂漠がある。天然粘土質から成るもの、パルプ質のもの、はたまた「おから」が原材料というその砂漠では、1日に数度オアシスが生まれ、水が即座に化石となる。 評論のかたちの物語を読み、途中休憩に…

朝9時ごろ、ふと見上げた某部屋に白いカーテンが付いていることに気づきました。今までブラインドじゃなかったっけ。10時頃、用事ができてその某部屋に行く。なんだか窓のあたりがものすごくまぶしい。目がつぶれそうなまぶしさ。ヨッ白昼夢!…「まぶしい…」…

新しい地下鉄は階層が深いよ

集中力がおとろえており、電車の向かいの席で乱歩を読む青年の指を念力で動かし文庫本のタイトルまで確認する、といったこともできません。目もおとろえているのだろうなあ。 岡山で横溝正史関連のイベントがあったそうで、余興に『本陣殺人事件』の密室トリ…

そのマズルカが、夢の中でも鳴っていました。 やるせない音色だった。やるせない、の「せ」と「な」の間がとくにせつなくて、せつないの「せつな」のところにも何かギューとしたものが濃縮されていて、夢の中でレモンを切ったら蜜がどろりと出て、その甘酸っ…

お久しぶりです。最近はツイッターにおります(http://twitter.com/smnp168)。 後輩が来週仕事を代わってほしいと、さきほど(23時半すぎ)携帯にメールしてきたので、間髪入れず「いいですよ!代わりに明日入ってもらえるとうれしいです!」と元気よく返し…

狼か虫か

『マンディアルグ短編集 狼たちの太陽』(白水Uブックス)を読む。何らかの意味で狼の話だと予測し、身も心も狼モードでページをめくるも、虫ばかり出てくる。 枕元に置いて眠ると夢を見た。

戦後短篇小説再発見ー事件の深層

講談社文芸文庫の『戦後短篇小説再発見ー事件の深層』。その前に読んだ本(『せどり男爵数奇譚』)から間を開けず一息に読んで、次の本(『狼の太陽』)にすぐ行ってしまったのですが、何か書いておきたくなって。この戦後短篇小説再発見シリーズは、テーマ…

飽きそうでまだ飽きない、ラブリーな「ソムリエ・バスソルト」と塩っぽいほかほか感の「クナイプ」の交互生活。 - 灰青色のもやっとした夕空です。。。でも山の中でピキイっとタテヨコの平行線を見せている電信柱の繊細さに癒やされます。。。 - DVDでアメリ…

木製の楽器が好き

今日は仕事帰りに室内楽のコンサートを聞きに行きました。 そこで休憩時間に飲み物とお菓子をいただきまして。抹茶と小豆のパウンドケーキで、味は非常に好みのやわらかい甘さだったのですが、お上品にちぎって口に運ぼうとすると崩れる崩れる衝撃的なほろほ…

双生児

ジャスミンが咲き始めた! …毎年思うのだけど、うちのご近所に数ヶ所点在しているジャスミン・スポットのジャスミンが、全部同じに見えるのはなぜか。大きさといい花の角度といい咲き具合といい、一分のズレもない。あり得ないタイミングで1日に何度も同一…

そして・寝て・起きました。 飲み会、というものが一つ終わるたび、不思議な時間だったなあと首を傾げます。普段は仕事の合間の数十秒ほどのひまに交わす「雑談」を、3時間くらい、まとめてたくさん話すのが飲み会だと思います。雑談を集積する時間。 そう…

肩がゴリゴリいう。 無音の自室にその凝りの音だけが反響する。 5月の夜である。 GWもその後もぼけーと暮らしていたのですが、うすうす「なんとかせねば…」と思っていた締め切りが、ついにばばんと目の前に明示されてしまいました。がんばらねばー。しかし…

柳田邦男「禅僧が女を抱いて川を渡る時」というエッセイに、筆者が河合隼雄から教わったというこんな仏教説話が紹介されていました。 ――2人の禅僧が歩いて川を渡ろうとした。その時、川のほとりで1人の美しい女が渡りかねているのに気づいた。そこで禅僧の…

よく読みに行くweb日記数カ所で、立て続けに亀の話題を読む。全国の水槽で亀たちがお目覚めになったとのこと。 - 黄水仙のころ、花を見て思った。 「三星堆みたいやね?」 中国の三星堆遺跡からの出土品の出目仮面ね。水仙の、あの中央がにょっきり突き出し…

そうそう、これも先日、文楽劇場に行きまして、文楽も目がきびしいのですよねー。 5、6年前から舞台の上に字幕が出るようになって、目がつかれるから見まいと思うのに、どうしても視界に入って見てしまって、目のつかれに額をもみもみしながら観劇するなん…

「木材開発・加工」と賑々しい看板の出た工場を取り囲む桜の木は、毎日なかなかの緊張感とともに生きているのではないかと思ったり。 心なしか顔色(花の色)も血の気を失って見えました。

アバター

少し前なのだけど、MOVIX京都で「アバター」を。アリスを観ようと思っていたらこちらは17日から公開とのこと。アバターは3時間近くある長さを感じさせない、さくさくと話の進む面白い映画でしたが、目がめちゃめちゃに疲れました。3D、私にはきびしかった……

分裂

左の頬っぺたのあたりをさわると小指のつめほどの大きさの白い何かがぼろぼろ落ちる。何だろう?耳から出ているような気もして、妹1に見てもらっていると、その間に妹2が窓から身を乗り出してそのまま向こう側に落ちた。慌てて妹1に救急車を呼ばせました…

4年目になる仕事Kで新しいことに取り組もうと、ひっそり自分内課題を練っていたところ、今朝方の夢に初対面のおじさんが出てきて「説明してごらん」と言う。最初はたいそう興味を持って聞き入っているかに見えたおじさん。私は説明しているうちにだんだん自…

「音楽会での感激を、家に帰ってすぐ天ぷらに表現してみせる」「快い絵を見たら、その途端に歌ってしまう」「読書のあとの感想を、絵に描いたり、匂いで表現してみせる」 …というのを〝ことばがすべてじゃない〟という文脈であげている評論を先日読んだ(筆…

かしましい雨の音で目が覚めた。午前4時。15年も住んで建物のどの部分があんな音を立てるのか今もってわからないのだけど、トタンに雨粒が当たるのと非常によく似た音を立てる箇所が、このマンションのどこかにあるのだ。おそらくは東の窓のあたりに。

妖怪に狙われやすい日本人の身体部位

『妖怪文化研究最前線』は小松和彦編集の論文アンソロジーで、こんな目次。 http://www.serica.co.jp/291.htm 内容は大きく4部に分かれており、その構成からも、とても読みやすく作られています。現代のサブカルチャーにとりこまれた妖怪を論じるⅠ部、主に…

くだ狐

お墓の前を通る時に「親指を握り込んで隠す」、そうしないと何やら悪いことが起きる。この系統の俗信って日本全国にあると思うのだけど、図書館で借りた『妖怪文化研究の最前線』に、こんな明治の事例の紹介が。 子供の頃(明治三六、七年)「丈おっしゃんの…