ポメラ

キーボードを打ちまくり、ペンも握りまくりの1日。


ちょっと薬局でヴィックスドロップを買ったら「お菓子のつかみどり」をさせてくれました。薬局でいう「お菓子」=のどあめ。こんなにあるので、舌の表と裏の両方にあめを置いて同時に舐めるなどしてみたい。



森博達『日本書紀の謎を解く』(中公新書)で古事記を林、日本書紀を森にたとえて、いろいろと不明なことの多い日本書紀の成り立ちを東西南北の地形と植生の比喩で説明していました。
本の雑誌』11月号の特集「昭和の文学が面白い〜昭和の雑文家番付」では、雑誌連載のコラム等ユニークな「雑文」を書いていた昭和の文筆家たちを大相撲の番付にあてはめていました。
AをBにあてはめ始めると、Bに完全にAがあてはまるまで「あてはめ」をやめられなくなるのが面白いところだと思います。仮に東の横綱植草甚一をあてはめてみるともう、次には西の横綱にも誰かあてはめないといられなくなって、大関も関脇も小結も前頭もどうにも止まらずどんどんあてはめていくのです。『日本書紀の謎を解く』も同じ種類の推進力があり、「あてはめ」そのものの妥当性も十分で、面白く読みました。
ちなみにこの号の『本の雑誌』で一番好みだった文章は、沢野ひとし折口信夫の『死者の書』を読んで舞台となった奈良に行ってみたという「歩く旅 死者の山」。すなおな気分で。沢野さん奈良に行くのは2度目なのだけど、1度目は真夏に天の香具山周辺を歩きまわったので熱暑と夕立でひどい目にあい、疲労困憊、大きな木の下で濡れた眼鏡を悲しくみつめていたというくだりなど、たいへん哀れでした。わかるわあ…。


日本書紀の謎を解く―述作者は誰か (中公新書) 本の雑誌 317号



昨日は三条に行ったついでに十字屋。四条店は店舗が平べったいイメージで三条店は縦長のうなぎの寝床ふうみ。あら十字屋についちゃったわよ〜と思う間もなくするんと吸い込まれて奥へ奥へと入っていく。店内の各コーナーではコーナーごとのジャンルの音楽が流されており、クラシックのコーナーではずっとショパンノクターンやバラードなどしっとりした曲が流れていました。10月17日はショパンのご命日だったのですよ。
ショパンの故国であるポーランドショパン協会が出しているCDを1枚、演奏者は昨年リサイタルを聞いたケヴィン・ケナーさんの。本当はリサイタルの時に買ってサインをしてもらえばよかったと思う。そして死ぬまでになまで聞きたいピアニストの1人、シプリアン・カツァリスさんのショパン/ワルツ集を1枚。前も日記に書いたかもしれないけど、シプリアンてほんとにかわいい名前。シプリアーン!ニャーン!人物もたいへん紳士的であり表情豊かな方だそうです。この方のリスト/メフィストワルツを聞いてから、メフィストワルツはもう他の方の演奏が聞けません。


ショパンのワルツ4番は通称「猫のワルツ」、6番は通称「子犬のワルツ」。有名な子犬のワルツに対して猫のワルツの方は、なんというか、しょうもない感じのする(笑)曲なんですが、いやきちんと整った名曲ではあるんですけど、出だしのそのしょうもない感じがひそかに好きです。聞くたびにちょっと虚ををつかれてポカンとしてしまうのです。