アバター

少し前なのだけど、MOVIX京都で「アバター」を。アリスを観ようと思っていたらこちらは17日から公開とのこと。アバターは3時間近くある長さを感じさせない、さくさくと話の進む面白い映画でしたが、目がめちゃめちゃに疲れました。3D、私にはきびしかった…(しょぼしょぼ) 映画館や席によると思うのですが、この日は残念ながら3Dの驚きや喜びをさほど感じられず。


主人公が双子というのはけっこうおいしい設定だと思ったのだけど、映画の冒頭で兄はさらっと故人であり、回想は一瞬もなく。兄の同僚に「君はほんとにトムに似てるね!」と感心されて一瞬ドロドロの期待を(私が)おぼえるも、その同僚はものすごくいい人で、本当に素直に感心しただけだったという。兄は主人公にアバターを提供する以外の何の役割も持たないという。なんて直線的な映画なんだ!監督はなんてまっすぐな人なんだ…!


た、たぶん私がいろいろまちがってる。


もと海兵隊で数多の戦場を駆け抜けてきたものの、戦傷により今は車椅子から立つことのできない主人公。だがある日、研究者であった亡き双子の兄が残した〝アバター〟システムの継承者として指名され、惑星パンドラへ送り込まれる。パンドラには豊かな鉱物資源があるため、開発をのぞむ地球人が目下原住民と交渉中なのだ。主人公の使命はアバターを使って原住民を懐柔すること。アバターとは、研究者達が自身の神経細胞とパンドラの原住民ナヴィの遺伝子を掛け合わせてつくった、人造の身体。アバターのオーナーである研究者は、特別な装置によって自分の魂(意識?)を実際の身体からアバターに移動させ、人間は呼吸できない惑星パンドラの大気をアバターの身体で自由に呼吸できる。主人公は現実の歩けない肉体から離れ、生来の適応力でナヴィに溶け込み、楽しみ、惑星パンドラ独自のコミュニケーションネットワークを理解し、姫君と恋に落ち、ヒーローになってゆく…


ポカホンタスやダンスウィズウルブスがとても近いと友人が言っていました。どちらも見ていません。が、アメリカ人主人公が侵略対象であるナヴィを理解してゆくところが似てるのかなと想像。
惑星パンドラには豊かな鉱物資源があり、人間はそれを狙っているけれど、本当の豊かさはパンドラの生態系そのものにあるという気づきだとか。これは映像が美しいので、説得力をもって伝わってきます。


内容は、世界には〈アメリカ人〉と〈エイリアン〉しかおらんのか…とつぶやいてしまう例の構図、に、ナウシカラピュタガンダムロードオブザリングetcすなわち〈物語に感情移入するオタク達〉の蓄積が混じった映画、というふうに観ておりました。エンデの『はてしない物語』が、マッチョになったという印象も。