読んだ本。

外山滋比古『知的創造のヒント』(講談社現代新書)。
本を読み、文章を書く。情報のインプットとアウトプットについて述べた本。
序「啐啄の機」、1「忘却のさまざま」、2「自力と他力」、3「着想」、4「比喩」の流れがうまくて唸らされる。5「すばらしきかな雑談」、6「出家的」、7「あえて読みさす」における読書論や雑談論も楽しい。でも8章以降は大学生向けの論文の書き方が中心になるので、ところどころ笑える箇所はあれど、論文を書かない人には関係ない話に思えます。
全章を通じ、私の経験と合致して「わかるわかるー!」と非常に読みやすいのだけど(だから時々痛いところをつかれる)、「思考とは何か」という根源のところまで踏み込みかけてとどまってしまったような、結局は論文指南に終わってしまうところなど、少々もの足りなさが残る新書でした。