ブラームス、パガニーニの主題による変奏曲

緑の茎。
植物に触れる指の曲がりに目を奪われていた。ある人の。
今週の柳月堂は、ブラームスパガニーニの主題による変奏曲」。ゲザ・アンダさんのピアノ。古い録音で、ごうごう鳴る低音が魅力的。男性的で品格のある演奏だった。生演奏で聞きたいな…。指の運動会みたいな曲だけど、こういう曲を品よく弾く人っていいわね。そしてお客はずっと私ひとりだったので、我が家のようにくつろいで過ごしました。寂しくないんだからね。

YouTubeから同じ曲、アレクサンダー・ロマノフスキーさんの弾くパガニーニ変奏曲。時代衣装を着たマネキン2体にじっと見守られつつ、偏執的とまではいわないけど、悪魔的な魅力と清冽な美しさを合わせ持った、好みの音の粒です。

ヨーロッパで発売されたDVDからの映像らしく、主題・第一変奏・ラストの第十四変奏のみ。第十四変奏で味わえるカタルシスは、単体で聞いても美しいけれど、第一から第十三までの変奏の流れの中でじっくり聞いたらもっといいだろうと思う。しかも、最後が変に切れててものすごい嫌がらせ!(涙)。

このようにピアニストの頭の上から撮影されると、ついついつむじを確認してしまいますね。数字で表すなら「6」という字になるつむじも悪魔的な身体部位。
同じDVDと思われるこちらのバッハは物語の中の妖精が跳ねるような音で、やはり耳に快い。