甘やかな帰属

夜半から続く雨は、いまだ細い糸のごとくに花壇の緑を打っていた。煙るような時刻の、真っ白い早朝である。私はすっかりと身なりを整えて、玄関に立っていた。こうして美しい外界に出かける朝はいつも思うのだが、どうして自分はいちいちこの部屋に帰ってきてしまうのだろう。
ため息を吐いた。