展覧会

今月は京都市美術館ルーブル展、香川県ミュージアムの日本近代絵画展、京都市文化博物館の藤城清治展に行ったのだった。
ルーブル展、平日の朝一番だったのにものすごい混雑。今回京都に来ていたのは、昔の映画の看板みたいな塗りの油絵が多かった。人の肌がつやつやフワフワした色。陰影ははっきりと描かれているけれど、レンブラントのような深い陰影ではなく、どこまでも平板。二次元にぺろりと迷いこみそう。一見静謐に見える果物や花の構図に、隠し絵のように蛇などが描きこまれているのもおそろしい。そんなもの描いて…。機嫌よく見て回れるものではない展覧会。


日本近代絵画展は歴史を追うのが面白かった。日本画と洋画の偶然が重なってひょっこり生まれた絵が今の私の目にはめずらしくて楽しい。誰と誰が師弟で、どこに留学して、何を描いたか、どういう技法や絵の具で描いたか、というチャートを考えながら見た感じ。目玉は岸田劉生の麗子像や上村松園の舞の支度の画など。ここらへんを見るときには、結局、流れを忘れてボーと眺めていた。岸田劉生は素敵。


藤城清治展もものすごい混雑。文化博物館はお気に入りでよく行くけれど、このために展示室がつくりかえられ、暗い部屋に幻想的な影絵がいくつもいくつも浮かび上がる夢のような空間になっていた。水や鏡も使って無限に光と影が広がる。ちょっと忘れられない光景。