心の闇にもう少しで届きそうなきがする

今日は1日自宅仕事。テレビをつけたままでできることなので、朝からオリンピックを見て。続けて「爆問学問」の再放送が。ふうんと思って見ていると、今回は政治学者の御厨貴さん、オーラルヒストリーの手法を用いて日本の政治を研究されている。

御厨氏によるとオーラルヒストリーとは、「公人の、専門家による、万人のための口述記録」。たとえば引退した政治家に毎月2時間のインタビューを1年間をおこない、語りの記録を作成して、一般に公開するなど。とくに自民党はホンネとタテマエを使い分ける政治家が多かったため、インタビューがスリリングだったとか。聞く時のコツは、「要するに」と勝手に話をまとめないこと。「要するに○○ということですね」とまとめてしまうと、「そうそうそうなんだよ〜」と話し手が乗ってきてしまい、話し手自身の表現が途絶えるから。これに対して爆笑問題の太田さん、「俺だったら、まとめられたらカッとなって『違うよ、いま俺が考えてんだよ!』と言い返す」と言うのがとても太田さんらしく思われて素敵です。また御厨氏いわく、1年間かけてインタビューをする際には、春は新人時代の話を、秋は辛かった出来事をなどと、季節に合わせて話を振り分けたりもするとか。オーラルヒストリーって以前からよく聞く言葉だなあと思っていたので、番組の後半、実際に御厨氏が太田さんにインタビューしているところなど、こんな感じなのかと興味深く思いました。相手が話しやすいように事前に質問をよく練ってあるのがプロらしい。「△△はいつ頃からそう考えるようになったんですか?」等、シンプルかつ時系列を意識させる問いから話を引き出していくんですね。茫漠とした経験の総体を因果関係で整理してしまうのって、やり方として功罪ともにあるでしょうが、何より話し手自身にとって、そういう整理はたぶんある種の快感なんだよね。それがちゃんと聞き手の利益にもなっている。インタビューの空間て、面白いなー。