続いて「三宅菊子」で記事を拾う。
宇野千代のエッセイを読んでいると、よく登場するお名前である。1970年代のアンアンのライターだった方で、今年8月に亡くなられたのですね。


記事の作り方の話にうんうんとうなずく。

「週刊平凡」で5年くらい経った時に新雑誌が出ることになって、「平凡パンチ」の臨時増刊として「平凡パンチ女性版」が出て、次に「アンアン」が創刊されました。私は「週刊平凡」をやりながら「アンアン」もやることになりました。
「週刊平凡」の時は、芸能人に取材に行くこともなかったので、いわゆる芸能記者にはならなかったけれど、「アンアン」に移ったら、おしゃれや映画や音楽など、私が結婚する前にいろいろ楽しんでいた世界のことだから、自分から積極的に関わっていくようになりました。
その時分はまだ週刊誌も活版ですから、レイアウトというより割り付けです。原稿を書けば、割り付けして印刷所に回るわけです。つまり今で言う先原ですよね。どんな下っ端が書いた原稿だろうと先原で、それをざーっと割り付けして印刷に回すというシステムでした。
「アンアン」のライターをやり始めて、そうじゃない世界もあるんだというのに驚きました。グラフ誌の編集というのは、まずアートディレクションがあって(レイアウト先行)、次に文字で埋めていく。アートディレクターの堀内誠一さんと弟子が2人ぐらい来て3人でレイアウトして、格好いいなと見てました。堀内さんが関わっていた頃の「アンアン」はとってもハイブロウでしたから、まず堀内さんがレイアウトして、ここに原稿書けと言われて原稿を書いていくわけです。

http://www5a.biglobe.ne.jp/~wo-house/miyake.htm


先に原稿を書くか、先にレイアウトを作るか、職場で発行物を作る時によく出くわす問題です。私の場合は、まず自分でページのイメージを手書きし、そこから必要なコピーやテキストをちまちまと書いて、手書き図とテキストデータを合わせてレイアウト担当の同僚に渡します。
ストイックにテキストだけを書くよりも、ページ全体のイメージからあれこれ楽しく考えた方が、作業がやりやすいんですよね。それに、発行物(写真入りの報告書やインタビュー記事などです)を受け取る人の多くは、「読む」前にまず「見る」だろうな〜と思うので。
でもあくまでラフであり、自分で完全に「アートディレクション」をできるわけではないので、レイアウト担当の同僚に任せる部分も大きいです。レイアウトをした上で、「ここにもう少しテキストを入れたら?」などと提案してもらって、何度もやり取りしながらページを作っていきます。