大阪(1)

京都も人の多いところではあるのですが、梅田に行く=人混みを歩く(歩くの速い!)ので、喉が渇くため、10年前は、梅田から京都に帰るための阪急電車に乗る前、売店でいつも「フルーツ牛乳」を買って飲みました。その場で飲んでビンを返すのです。冷たくて甘くて小さな楽しみだった。今、エビアンの300mlペットボトルを持って電車に乗りこむことが多いな、と思ったのでした。今もあるのでしょうか。あるんでしょうねー。
検索してみると、阪急の売店にあるのは森永の「牛乳」「コーヒー」「フルーツ」の3種。それを「フルーツ牛乳ください」と言って買っていたわけです。周りの人がそうやって買っていたのだと思います。どうも、内臓の記憶のなかで、梅田の古書店街「かっぱ横丁」の入り組んだほの暗さや古本のにおいと、「フルーツ牛乳」の“梅田に来たときしか飲めない”味とが、セットになっています。


ところでここ数年、たまに行く古い銭湯でも、番台のわきで森永製品を売っています。「森永マミー」がフルーツ牛乳に似た味のビン入り飲み物。たぶん同じ森永でも「マミー」と「フルーツ牛乳」は別の製品だと思うのですが、これもレトロな甘さで非常においしいです。ビンのふたが紙でなく、ちゃんとプラスチック。
昨日に引き続きダウンロードした風俗の実録小説を読み、花街には牛乳箱が似合う、という記述と森永の牛乳箱の写真を見て。風俗の実録小説やドキュメンタリーは、都市小説の面も持っています。