大阪(2)

これもちょっと前の出来事なのですが。
水都大阪2009というお祭が8月〜9月のあいだ開催中でありまして、京阪電車天満橋駅に出入りする時など、天満川を巨大なアヒルがゆうゆうと流れていく後ろ姿を何度か見かけたり、アート系のワークショップに知人が出ているのを見に行ったりして。
川がテーマなだけあって、イベント船がたくさん運航しています。
どれに乗ろうか迷うくらいです。
夜になると黒いゼリーの上にラインストーンを並べたように、色とりどりの明かりが川の上を行き交います。そんな中、ある夜私たちも船に乗っていたわけなのですが、私たちの船のとなりを水都号アクアminiミュージックボートという小さなボートが走っていました。2〜30人乗りで、ジャズ演奏者が乗っていて、音楽を聴きながら川を渡るという船です。
屋根も壁もない、本当にただのボートなので、音楽が川面に響くのがいい風情です。

その船がだんだんと近付いてきて。
わー、すごく近い。握手できそう。と思って私は手を振りました。
ベースの人と目が合いました。なんか緊張した顔でした。
え?と思った瞬間、ごーんとぶつかっていました。
船と船が。

音楽が止まり、こちらの船も照明が全部点いて、
おーい
おーい
だいじょうぶかー
だいじょうぶかー
と船同士、落ちた人間がいないか確認をしていました。
こちらはガラスでできた窓と屋根があって、船の大きさもあちらの2倍はあるので衝撃も大したことありませんでしたが、あちらはただのボートに人がぎゅうぎゅう乗っている状態なので、転落もあり得ました。幸いにして何事もなかったようで、すぐに運航は再開されたのですが。
なんだか「タイタニック号」とか「銀河鉄道の夜」を連想する出来事でした。