昨日のピアノはラフマニノフの練習曲集、「音の絵」op39。聞くからに音符の多そうな、難しそうな、でも壮大なファンタジー世界を思い浮かべさせる曲集です。CDを2枚持っていて、1枚は血も涙もない、キレキレの演奏。もう1枚は情けも容赦も暖かみもある演奏。後者はごく最近購入したもの。
昨日の軍配は…前者に。



この人が通った後にはぺんぺん草も生えぬ。
ピアニストはニコライ・ルガンスキーさん。鋭い高音のダンスから始まり、速拍子の全体を通じて同じ音をこれでもかと連打、キリキリ舞いの群舞。美しい色とりどりの糸を束ねてほっぺたを殴りつけてくるような。
とりわけ終盤の畳みかけはおっそろしいです。

後者のピアニストはアレクサンダー・ロマノフスキーさんです。曲によっては後者の演奏の方がいいかなと思うものもあり、上に貼った第4曲など、暖かみのあるロマノフスキーバージョンもなんだか妙にキュートなので悩むところなのですが。キュートに弾いているわけではなく、聞き比べているこちらの耳がおおらかな春の色味を感じ取ってしまうよう。
もう4月だというのに雪が降ってキューッと冷えた夜には、思いきってキレキレのピアノがいいじゃないの。