狼か虫か

『マンディアルグ短編集 狼たちの太陽』(白水Uブックス)を読む。何らかの意味で狼の話だと予測し、身も心も狼モードでページをめくるも、虫ばかり出てくる。 枕元に置いて眠ると夢を見た。

戦後短篇小説再発見ー事件の深層

講談社文芸文庫の『戦後短篇小説再発見ー事件の深層』。その前に読んだ本(『せどり男爵数奇譚』)から間を開けず一息に読んで、次の本(『狼の太陽』)にすぐ行ってしまったのですが、何か書いておきたくなって。この戦後短篇小説再発見シリーズは、テーマ…

飽きそうでまだ飽きない、ラブリーな「ソムリエ・バスソルト」と塩っぽいほかほか感の「クナイプ」の交互生活。 - 灰青色のもやっとした夕空です。。。でも山の中でピキイっとタテヨコの平行線を見せている電信柱の繊細さに癒やされます。。。 - DVDでアメリ…

木製の楽器が好き

今日は仕事帰りに室内楽のコンサートを聞きに行きました。 そこで休憩時間に飲み物とお菓子をいただきまして。抹茶と小豆のパウンドケーキで、味は非常に好みのやわらかい甘さだったのですが、お上品にちぎって口に運ぼうとすると崩れる崩れる衝撃的なほろほ…

双生児

ジャスミンが咲き始めた! …毎年思うのだけど、うちのご近所に数ヶ所点在しているジャスミン・スポットのジャスミンが、全部同じに見えるのはなぜか。大きさといい花の角度といい咲き具合といい、一分のズレもない。あり得ないタイミングで1日に何度も同一…

そして・寝て・起きました。 飲み会、というものが一つ終わるたび、不思議な時間だったなあと首を傾げます。普段は仕事の合間の数十秒ほどのひまに交わす「雑談」を、3時間くらい、まとめてたくさん話すのが飲み会だと思います。雑談を集積する時間。 そう…

肩がゴリゴリいう。 無音の自室にその凝りの音だけが反響する。 5月の夜である。 GWもその後もぼけーと暮らしていたのですが、うすうす「なんとかせねば…」と思っていた締め切りが、ついにばばんと目の前に明示されてしまいました。がんばらねばー。しかし…

柳田邦男「禅僧が女を抱いて川を渡る時」というエッセイに、筆者が河合隼雄から教わったというこんな仏教説話が紹介されていました。 ――2人の禅僧が歩いて川を渡ろうとした。その時、川のほとりで1人の美しい女が渡りかねているのに気づいた。そこで禅僧の…

よく読みに行くweb日記数カ所で、立て続けに亀の話題を読む。全国の水槽で亀たちがお目覚めになったとのこと。 - 黄水仙のころ、花を見て思った。 「三星堆みたいやね?」 中国の三星堆遺跡からの出土品の出目仮面ね。水仙の、あの中央がにょっきり突き出し…

そうそう、これも先日、文楽劇場に行きまして、文楽も目がきびしいのですよねー。 5、6年前から舞台の上に字幕が出るようになって、目がつかれるから見まいと思うのに、どうしても視界に入って見てしまって、目のつかれに額をもみもみしながら観劇するなん…

「木材開発・加工」と賑々しい看板の出た工場を取り囲む桜の木は、毎日なかなかの緊張感とともに生きているのではないかと思ったり。 心なしか顔色(花の色)も血の気を失って見えました。

アバター

少し前なのだけど、MOVIX京都で「アバター」を。アリスを観ようと思っていたらこちらは17日から公開とのこと。アバターは3時間近くある長さを感じさせない、さくさくと話の進む面白い映画でしたが、目がめちゃめちゃに疲れました。3D、私にはきびしかった……

分裂

左の頬っぺたのあたりをさわると小指のつめほどの大きさの白い何かがぼろぼろ落ちる。何だろう?耳から出ているような気もして、妹1に見てもらっていると、その間に妹2が窓から身を乗り出してそのまま向こう側に落ちた。慌てて妹1に救急車を呼ばせました…

4年目になる仕事Kで新しいことに取り組もうと、ひっそり自分内課題を練っていたところ、今朝方の夢に初対面のおじさんが出てきて「説明してごらん」と言う。最初はたいそう興味を持って聞き入っているかに見えたおじさん。私は説明しているうちにだんだん自…

「音楽会での感激を、家に帰ってすぐ天ぷらに表現してみせる」「快い絵を見たら、その途端に歌ってしまう」「読書のあとの感想を、絵に描いたり、匂いで表現してみせる」 …というのを〝ことばがすべてじゃない〟という文脈であげている評論を先日読んだ(筆…

かしましい雨の音で目が覚めた。午前4時。15年も住んで建物のどの部分があんな音を立てるのか今もってわからないのだけど、トタンに雨粒が当たるのと非常によく似た音を立てる箇所が、このマンションのどこかにあるのだ。おそらくは東の窓のあたりに。

妖怪に狙われやすい日本人の身体部位

『妖怪文化研究最前線』は小松和彦編集の論文アンソロジーで、こんな目次。 http://www.serica.co.jp/291.htm 内容は大きく4部に分かれており、その構成からも、とても読みやすく作られています。現代のサブカルチャーにとりこまれた妖怪を論じるⅠ部、主に…

くだ狐

お墓の前を通る時に「親指を握り込んで隠す」、そうしないと何やら悪いことが起きる。この系統の俗信って日本全国にあると思うのだけど、図書館で借りた『妖怪文化研究の最前線』に、こんな明治の事例の紹介が。 子供の頃(明治三六、七年)「丈おっしゃんの…

昨日のピアノはラフマニノフの練習曲集、「音の絵」op39。聞くからに音符の多そうな、難しそうな、でも壮大なファンタジー世界を思い浮かべさせる曲集です。CDを2枚持っていて、1枚は血も涙もない、キレキレの演奏。もう1枚は情けも容赦も暖かみもある演…

S.G.G.K.

「そのトキメキ、オレが止めてみせる…!」*1 冷たいもやを朝の光が射す。暖房をぼんぼん焚く。 昨日テレビのニュースを見ていて、はじめてスケートするお子達の映像がむやみにかわいかった。西京極のアクアアリーナかな。誰も滑れていない(歩けてもいない)…

バロック is …!

ああ、これはいいね。小さな画面ですが、できれば大画面、爆音で。 常識を破壊し、恐怖すらおぼえさせるこのバロック集団、最高だ。 曲はテレマン、リコーダーとトラヴェルソと鍵盤楽器のための協奏曲。指揮:ジャン=クリストフ・スピノジ、合奏団はアンサン…

本気出したな

あたたかい部屋のなか。 ちょっと台風めいた雨と風の音がしています。主に雨。ほとんど雨。でも音を立てずひそやかに強い風の気配。雨の角度がずっと小刻みに変化し続けていることでそれがわかる。敏捷な、あたたかい風。 …わっ突然すごい強風が。物干竿が落…

飼い犬のことを「彼、つめたいんですよ…」と言う。

先日この日記にトクマルシューゴのPVを貼りましたが、今テレビでうっかりトクマルシューゴさんを見てしまっています。おお、おお。 ものすごく不思議な手ぶりとともに「バンドの人はこわい」「バンドに(楽器の)ベースが入ると自由がなくなる」「いやなこと…

冴えない日々ですがぼちぼちと。 ふとコピーをとる用事を思い出してコンビニに寄ったところ、誰かが「FAVORITE IRISH」と書かれたうすみどり色の本を忘れていた。表紙の下の方に「HARP series」とあり、そっとめくると楽譜なのだった。ハープの楽譜もしろう…

変わった植物

・今週は研究会に参加し、某先生から、ある植物の比喩についてたいへん興味深い考察をお聞きする。古代の植物の爆発的な生命力が、「世界樹」のようなイメージ図で頭に浮かぶ。ただし日本において「巨木」や「巨柱」の伝説はメジャーなれど、世界樹のように…

バファリンの働き

バファリンの働きをまとめると、以下のようになりますね。 頭痛:飲む→なおる 生理痛:飲む→眠くなる→眠る→なおる 眠くなる時、痛みそのものは治まっていないので、いたいいたいと転々としている。でもだんだん身体が動かなくなっていく。次第にどうしようも…

とりとめのないものおもいのじかん

下のATMに続き、あいかわらずどうでもいい話を書いてしまうのですが…。 帰宅したら隣人がシュークリームをお裾分けしてくれたので、コーヒーをいれようと思い、台所のこんろの前に立って、やかんもかけずにしばらくじいっっ…と待っていた。とりとめのない物…

ゼイムショと焼酎

今日ATMに通帳をつっこんでぼーっと物思いにふけっていたところ、ATMが何かせっせと記入していて、何をそんなに書くことがあるのかと思ったら確定申告の還付金…!それも数日前にすでに振り込まれている…!サキョウゼイムショさんが白い歯をキラッとさせて「s…

あれこれ

コーヒーを切らすと仕事がてきめんに停滞。 自分が1年前につくったものを見返して改訂版をつくる仕事なう。精一杯の仕事ではあったけれど、今見返すと「かゆいところに手が届く」ような細やかさにはほど遠いチンプンカンプンな出来で、注文主ともっと密なや…

学校の怪談

某建物の廊下は、人が通ると感知して自動で灯りが点いたり消えたりする仕組み。常に自分の前後10メートルほどだけが照らされていて、後ろを振り返ると、先ほど通ったばかりのところがもう真っ暗になっています。廊下の両側にはずらりと個室のドアが並んでい…